尿失禁・神経因性膀胱(尿失禁・神経因性膀胱に関するトピックス)
- 腹圧性尿失禁に対する手術療法、TVT法
- 頻尿、切迫性尿失禁を主な症状とする過活動膀胱への積極的治療
- 膀胱知覚機能検査、世界初のニューロメーターの膀胱への応用
- 難治性の過活動膀胱、間質性膀胱炎、尿失禁に対する鍼治療
尿失禁・神経因性膀胱の診断と治療
- 膀胱の機能と症状
- 診断方法
- 尿失禁の治療法
- 神経因性膀胱の治療法
1. 膀胱の機能と症状
膀胱の機能には、大きく別けると「蓄尿」と「尿排出」の二つの機能があります。
「蓄尿」機能の障害は、尿が近くて外出時に困る(昼間の頻尿)、就寝後何回も尿に起きる(夜間頻尿)、トイレまで間に合わずに漏れる(切迫性尿失禁)、せき/くしゃみ/小走り/重いものをもつなどの動作に伴って漏れる(女性に多い腹圧性尿失禁)などの症状をきたします。一方、「尿排出」の機能が、大腸や婦人科疾患の手術、脳梗塞や糖尿病などの神経障害によって低下すると、尿が出にくくなります。
2. 診断方法
私達の外来では、できるだけ痛みの少ない、超音波検査(エコー)などの画像検査から行うように努めています。また、他の一般の施設ではできない特殊な排尿機能検査や神経診断装置を世界に先駆けて導入して、正確な診断に努めています。尿失禁と神経因性膀胱についての実際の検査の流れを下の表にお示しします。

(図:頻尿・神経因性膀胱の検査)

(図:尿失禁の検査)
3. 尿失禁の治療法
尿失禁はそのタイプによって治療法が異なります。ですから、はじめに正確な診断が必要です。各タイプに対する治療法を説明します。
| A. |
腹圧性尿失禁 |
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腹圧性尿失禁に対しては、まず薬物療法から始めます。また、骨盤底筋体操の指導を行います。

(図:骨盤底筋体操の例)
それでも症状がよくならない場合には、局所麻酔でも可能な小手術であるTVT法を主に行います。TVT法の成績は大変良く、傷も極めて小さく、尿失禁に悩む女性には吉報です。

(図:TVT法とは)

(図:TVT手術の成績) |
| B. |
切迫性尿失禁 |
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切迫性尿失禁に対しても、薬物療法から開始します。さらに可能であれば、尿を少しずつ我慢する膀胱訓練を併用します。これらの治療で、効果が見られない場合には、当院では鍼治療を行って症状の改善を目指します。 |
| C. |
混合性尿失禁 |
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混合性尿失禁は、腹圧性、切迫性尿失禁の両方の症状があるタイプですから、それぞれの方法を組み合わせて治療します。 |
| D. |
溢流性尿失禁 |
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溢流性尿失禁の原因は尿が出にくいことですから、膀胱の収縮力を高めたり、尿道の抵抗を少なくする薬物を用いて治療します。 |
| E. |
機能性尿失禁 |
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このタイプの尿失禁は、膀胱に異常がありません。したがって、泌尿器科だけですっきり治すことは難しいタイプです。ですが、当院では排尿に関するアドバイスをお教えしています。 |
4. 神経因性膀胱の治療法
神経因性膀胱は、低活動型(尿が出にくい)と過活動型(尿がためにくい)の2種類に分かれます。また、当院では知覚神経の検査機器であるニューロメーター(注)を世界で初めて膀胱へ適応し、膀胱の感覚異常の診断も行っています。
最近では、明らかな神経障害がなくとも蓄尿が困難な患者様を「過活動膀胱」という病名のもとに治療することが推奨されています。どちらの場合でも、まず最初に薬物治療を行いますが、症状が改善しない場合には、低活動型では適切な排尿管理の指導を、過活動型には東洋医学の漢方薬や鍼治療をとりいれて治療にあたっています。
注:ニューロメーター
主に、糖尿病の合併症である神経障害の診断のために、指先の痛みや温度の感覚を検査する目的で使用されている機器です。当院では、膀胱に細い電極を入れ微小電流を流すことによって、膀胱の痛みや尿意の感覚を評価することに世界で初めて成功しました。
このような症状を持った方の中には、「年のせいだから」、とか、「泌尿器科にいくのが恥ずかしい」、とか、「痛みのある検査をされるのではないかと心配」、などの理由などで、ためらっておられる方も多いのではないでしょうか。機会が有る毎に新聞や市民公開講座で、お話しているように、私達の排尿障害/神経/尿失禁の診療では、
- 必要最低限の(できるだけ痛くない)検査で正確に診断すること、
- 正確な診断の結果として治療の成功率を向上すること、
- 治療の選択肢を多くもち、患者様の要求に可能な限り答えること(患者様の生活の質(QOL)を重視)
をモットーに診療を行っています。
お困りの方はぜひ一度ご相談にいらしてください。
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