前立腺肥大症(前立腺肥大症に関するトピックス)
- 患者の最も困っている症状に焦点をあてて、その症状を科学的に評価する新しい質問票と排尿日誌の開発。
- 下部尿路閉塞症状のみならず、排尿刺激症状も並行して治療する新しい治療戦略
- 薬物治療・低侵襲治療・経尿道的手術の適切な適応基準の確立
- 経尿道的手術をより安全に試行できる工夫
- 排尿時リアルタイム超音波による前立腺肥大症の診断
- 超音波パワードプラ法を用いた前立腺がんとの鑑別診断
- 最先端の検査による内視鏡的前立腺切除術の治療効果の予測
前立腺肥大症の診断と治療
- はじめに
- どうして出にくくなるの?
- 前立腺肥大症の症状
- 前立腺肥大症の検査
- 前立腺肥大症の治療
1. はじめに
高齢男性の代表的な「尿排出」機能の障害である前立腺肥大症では、尿が出るまでに時間がかかる、残尿感がある、尿の勢いが弱い、尿が中断してからまた出る、などの症状をきたします。また、尿の出にくさがひどくなると、ひいては腎臓の機能障害をひき起こすこともまれではありません。
2. どうして出にくくなるの?
前立腺は、膀胱の直下に、尿の通り道である尿道を取り囲むように存在する男性生殖器です。前立腺の役割は精子を包む精液の一部を産生することですが、加齢に伴い大きくなることがあり、その結果、なかを通る尿道が圧迫されて尿が出にくくなるとともに、直上にある膀胱を刺激して頻尿などの症状をひき起こすこともあります。(図:正常の前立腺、前立腺肥大症)


3. 前立腺肥大症の症状
具体的には
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尿の勢いが弱く、終わるまでに時間がかかる |
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尿が出はじめるまでに時間がかかる |
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尿が途中でとぎれる、切れが悪い |
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尿を終わってもすっきりしない |
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トイレが近い(とくに昼2時間もたない、夜間3回以上行く) |
| などがあります。この他にも、尿意がありお腹が張っているのに尿が出ず、病院でカテーテルを入れて出してもらった、おしっこがしたくなるとトイレまで我慢できない、といった経験をお持ちの男性は前立腺肥大症の可能性があります。 |
4. 前立腺肥大症の検査
まず、前立腺肥大症に関連する症状に対する治療の最大の目的である、「患者さんのQOLの改善」を常に考えて、診断・治療にあたっています。私たちが世界に先駆けて開発した新しい排尿日誌や、新しい質問表では、患者さんの訴えや、治療効果が定量化でき、患者さんにも自分の直っていく過程がわかりやすくなっています。患者さんの最も困っている症状に焦点をあてて、患者さんのQOLの最大限の改善を図れるように努めています、その診断過程では、医療サイドからみた医学的な症状の重症度だけでなく、患者さんサイドからみて、患者さんがもっとも困っていて、関心のある、直してほしい症状を、明らかとして、患者さん本位の治療方針を常に考慮しています。そこで、国際的にもすでに認められたオリジナルな新しい質問表を開発して、患者さんの困っている症状を患者さんの立場でとらえています。また、できるだけ体に優しい検査から試行します。とくに重症な場合で、手術の必要性の有無の判断が必要な場合では、もっとも科学的にそれを判断できる検査を選んで試行します。
まずは問診で症状の程度をよくうかがいます。(I-PSSという問診票を用います。)また、直腸内指診によって前立腺の大きさ、硬さを判断します。その他には、
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尿流量測定:トイレの形をした装置に排尿することにより、尿の出かた、勢いを把握します |
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残尿測定:エコーを下腹部に当てて、排尿後の残尿の有無を判断します |
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経直腸的超音波断層法:エコーにより、前立腺の形状、大きさ、内部構造を確認します。また、排尿中の撮影により、実際に前立腺が排尿異常の原因になっているかどうかを、さらにパワードプラ法を用いた血流の計測により、前立腺がんとの鑑別も行います。 |
| などを行います。これらはほとんど痛みのない検査ですが、前立腺肥大症はこれで診断することができます。 |
5. 前立腺肥大症の治療
前立腺肥大症の治療は、主に症状の程度で決まります。つまり、前立腺が大きくても、排尿状態でお困りでなければ無理に治療をする必要はありません。ただ、お困りの場合には、軽症であればまずは薬物治療からはじめます。
主な薬には、尿道の広がりをよくする薬(αブロッカー)や前立腺を小さくする薬(ホルモン剤)があります。それでも改善しない重症な場合でもお腹を切らずに、最先端の検査法によりその効果を予測した上で、重症な場合であれば主に経尿道的(内視鏡的)前立腺切除術を行います。また、手術以外にも前立腺部にステントを留置する方法もあります。(図:TUR-P)

(TUR-P クリックすると拡大します)
もちろん、前立腺がんの鑑別は、世界最先端の画像診断技術と腫瘍マーカーを駆使して行っています。排尿に時間がかかるため公衆トイレで後ろに並ばれるのがイヤだ、という思いをされている方は一度受診してみてください。
診療担当:浮村講師
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